ヨモ大陸物語:アウフヘーベン号 発進
の続きです
◆ヨモ大陸物語:パルタ宇宙編
続きは


普段は思い出せもしない
心の奥底に刻まれたもの
ヨードの地各門を潜り
ホーライ山麓にいる間だけ
「いにしえの記憶」を思い出す
それはたった四行の詩篇
各国各門の傍らには木札所 「いにしえの記憶」を記録する出先
木札に四行の詩篇を記し一枚を本人 一枚を保管する
ヨードの地を取り囲む内環を出ると
「いにしえの記憶」は心に没する

■ヨモ大陸物語:超聞の予言
朝議はとにかく騒がしい
各人は一斉に発言する
女王はその全てを聞き分ける
女王は答えるべきに応える
王具「超聞の兜」は一見鉄仮面
頭部を覆い尽くす五感を研ぎ澄ませる
五感だけではない感覚を処理する
頭脳が同時に発言する臣たちの内容を聞き分け理解する
テン王家の祖 ジーコックはコクトー帝国の亜種
嘗ては「山の民」として露天掘りで鉱物採集
山を迂回して流れる川を山を削って直進させた
その川をコクトーにせき止められ農耕地に強制移住
その後 ポーターの助けもあり
ヨモ大陸へ脱出 フォワタ国初代王となる
戴冠式では見事な兜を具現化させた
「超秀の兜」と人民は呼んだ
女王ティーモン・ティーン別名「鉄仮面王」
フォワタ国二代目王 かつてはコクトー大陸小民族
四行の詩篇はまちまち 親子による連続性もなく
淡々と何等かを叙述する膨大な歴史書の一節が如く
学者は木札を集め少しずつ前後をつなげ
意味あるものへと試みるが未だ暗中の鵺
ある日の朝議ある臣がその現状を報告した時
「我の前にて百人が読み上げよ 百回繰り返せば万となろう」
百を聞き分け百を理解するティーモン・ティーン女王
木札所へと赴き 万聞を行う その後に発す言葉
「他国も同じ内容なら平和が続き他国と違うのならば戦乱の世となろう」
その後も朝議にて仮面王臣の言に応じて万聞を活かす
「加えて万聞を」との臣に答えて
「差が争いを生む、万聞でよい」
「王具は四種 各王家に固有他国より配偶者を迎えれば
王家の交差により単王双王鼎王完王となろう」
太陽の欠伸を 翼に変えて
赤く染まりゆく 地球を背に
幼きパルタは アウフヘーベン号で
数万年の流離を始める
電脳の星にて 問いに遭い
三位一体 第四の路を選ぶ
多様性の根本 「意伝子」を刻み
孤独な統合を 拒み抜いた
十二のポータ 守護者に抱かれ
常温凍結 深き眠りへ
ハニカムの船は 銀河を渡り
ポータは ハニカム波動通信を発する
地球を巣食う パルタよ
地球を救え 蓬莱を中心として
理想の大陸を 作るのだ
数万年の 彷徨の果て
ハニポリの光 蓬莱を照らす
アウフヘーベン号 降臨の刻
新しき大地の 記憶が目覚める
ハニポリに覆われた 蓬莱
パックリ割れて 止揚を包みこむ
何事も無かったように また閉じる
地球の業か 人間はびこる
※
コクトーの影が 地を覆い
画一の兵が タトゥー刻む
生殖持つ者 「亜種」と呼ばれ
属国の峡谷 捨て置かれ
森林の民は 火に焼かれ
鉱山の川は ダムに沈む
不慣れな土地へ 追いやられ
戦力削がれ 嘆き満つ
沈黙の夜に 影動く
ポータが告げる 「約束の日」
堰を切れとの 伝令
救済の路は 水にあり
民は密かに 堰を継ぎ
三度目の満月 待ちわびて
家舟繋ぎ 手を握る
ポータの教え 標とし
日輪瞬 前触れに
満月の夜 堰を切り
激流乗りて 船団は
大蝕の海 躍り出ん
外環に 異変あり
重力消えて 海割れる
筒状の水柱 天を突き
逆さまの滝 立ち昇る
家舟は渦に 巻き込まれ
大環の中を 駆け上がる
空気は薄く 意識消え
天空を行く 船団よ
霧が晴れれば 蓬莱の
ハニポリの光 降り注ぐ
内海へと 降ろされて
波紋は静かに 広がりぬ
ヨードの土に 抱かれて
傷癒えゆくも 霧の先
伝令の主 ポータ待つ
「ここが新天地」 囁きぬ
四行の詩篇 脳に湧き
木札に刻む 遠き過去
四つの門へと 導かれ
四つの王国 四方となる
